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Jリーグ 11年前

圧倒的な得点力を見せる風間フロンターレ。その攻撃力を支える、ダブルボランチの高度な機能性

J1リーグ再開後の連戦を3勝1敗で乗り切った川崎フロンターレ。圧巻なのはその得点力。敗戦した広島戦でも2得点を奪い、この4連戦で奪った得点は実に13点。大久保、レナト、中村憲剛のアタッカーに注目が集まりがちだが、中村憲剛はボランチがMVPと語る。

text by いしかわ ごう photo by Asuka Kudo / Football Channel

上位陣との4連戦を3勝1敗で終えた川崎

 ホームで負けなしの首位・大宮をロスタイムに撃破。

レナト
PKで決勝点を決めたレナト【写真:工藤明日香(フットボールチャンネル)】

 これでリーグ戦再開後、鹿島、広島、浦和、大宮という上位陣との4連戦は3勝1敗に終わった。ナビスコカップ準々決勝仙台戦での連勝も含めると、中断明けの公式戦6試合を5勝1敗だ。上出来である。

 中二日、中三日で続く真夏の4連戦が、タフな戦いになるのは十分に予想できたことだった。そこで、この過密日程をどう乗り切るのか。そのプランを風間監督に尋ねてみた。例えば、体力の消耗を押さえた”省エネ”な試合運びを徹底させていくのも考えのひとつだからだ。いつものように「俺が夏バテをしないことだね」と軽いジャブで小さい笑いを誘いながらも、自身の見解をこう明かしてくれた。

「スペースに出して走らせるとか、最初の15分は頑張って次の15分をうまく休むとか、試合中に水分を沢山取るとか、そういうことじゃないんだよ。正確にプレーすることが一番。味方が動いた場所の足元にパスをピタリとつけるようにできれば、動くのは最少の距離で済むんだから。

『シャビが1試合に平均12キロ走ってます』ってよく言うけど、相手のボールを守備で追いかけて12キロ走るのと、自分たちのテンポでボールを回して走る12キロでは、疲れの度合いが違う。そういうことを選手達が自分たちの中でうまくやっていかなくてはいけない」

 真夏だからこそ、ミスをなくして正確にプレーし続ける。それがもっとも効率的な戦い方になるという考え方だ。風間監督のスタンスはいつもシンプルである。

 今季リーグ戦での初無失点勝利となった第16節の浦和戦は、それを忠実に遂行した試合だったと言える。選手達はマイボールのときのミスが非常に少なく、正確にプレーし続けた。そしてそれが4-0という大勝劇を呼び込んだ。

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